足立の昔がたり
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させた。すると、さしもの大病もよくなり、一ヶ月もすると、もとの元気な体に戻もどることができたのだ。そこで両親は、息子の命を救ってくれたウナギに感かんしゃ謝の気持ちを込こめて塚をつくり、その上に神社を建たてて供くよう養した。それがウナギ塚だ。それからというもの、遊馬の村人たちは、ウナギを食べたあとには、必かならずこの神社にお参まいりしたということだ。残ざんねん念なことに、ウナギ塚はなくなってしまったけれど、遊馬村の語り伝つたえによると、毛長川のほとり、今の舎とねり人のあたりにあったという。舎人という地名は、昔、舎人親しんのう王の子孫の舎人土とさのかみ佐守という武士が住んでいたことにちなんで、つけられたといわれているけど、はっきりとしたことはわからない。遊馬は舎人のとなりだけれど、今では埼さいたまけん玉県になっているよ。※夢枕↓夢の中で神や仏ほとけなどがあらわれて、あることを告げること。97

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