足立の昔がたり
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子育て観かんのん音と大おおえのき榎 昔の伊いこう興は湿しっち地が多かったので、水に関かんけい係した地名が多くある。実じっそういん相院というお寺のある横よこぬま沼も、そのひとつで、ここには大きな沼があった。そこにお寺ができたいわれは、こんなふうなものだ。今から千二百年ほど前のこと、仏ぶっきょう教を広めるために日本全国を旅していた行ぎょうき基というえらいお坊ぼうさんが、たまたま沼の近くで休んでいると、沼の中で浮ういたり沈しずんだりしているものがあった。持っていた杖つえで引きよせてみると、それは一本の大きな木だった。その木のみごとさにおどろいた行基は、これは神さまがくださったものにちがいないと思い、その木で二メートル近い大きさの観音さまを彫ほり上げた。そして、その観音さまを大切にすえておくために、ここにお寺を造つくったのだ。これが実相院のはじまりだ。��【実相院】伊興四丁目15-11101

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