足立の昔がたり
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お礼をすませた義家が、ふと山門のわきを見ると―何と前につきさした木の箸が、自分の背せと同じくらいの高さにまで育っているではないか。これを見た義家は、「まるで自分の家が、ますます栄さかえていくことを示しめしているようだ」と、たいへんよろこんだ。その後、この箸の木は、より太く、より高く、より大きく育っていき、土地の人たちは、この山門のことを大門(でえもん)と呼び、大きくみごとな榎えのきは、「でえもん」わきの「おおいぬき」と呼ぶようになった。103

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