足立の昔がたり
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7研究によると、六千年くらい前は、関かんとう東の大部分が海の底そこにあったらしい。だから足立区のあちこちでも貝の化石が出土したり、千せんじゅ住旭あさひちょう町から推すいてい定体長二十メートルくらいのシロナガスクジラの下あごの骨ほねの一部が見つかったりしているよ。それから二千年ほどすると、地面が少しずつ海の底からすがたをあらわし、しだいに人が住むようになった。足立区と埼さいたまけん玉県の境さかいを流れている毛け長なががわ川近くにある遺い跡せきを発はっくつ掘したところ、縄じょうもん文時代や弥やよい生時代のものがたくさん出てきたから、そのころから毛長川の近くには人が住んでいたと考えられるね。また今から千八百年くらい前の古こふん墳時代のはじめころには、かなり多くの人が集まっている地ちいき域があったようだ。足立区北部にある伊い興こう遺跡・舎とねり人遺跡は、その時代のものだけれど、神さまをおまつりする道具や船のミニチュアなどが出土していて、おそらく毛長川を使った貿ぼうえき易で栄さかえていた、大きな集落があったのではないか……と考えられているよ。

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