足立の昔がたり
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5113じんがんなわと白いヘビ 日にっこう光街かいどう道を北に進んで竹たけの塚つかを過すぎると、文ぶんえい永九年(一二七二)に建たてられた、大だいじょういん乗院というお寺がある。このお寺の宝たからは薬やくし師如にょらい来で、その薬師如来がまつってある薬師堂どうの近くに、白いヘビが長いことすんでいた。ところが薬師堂が火事で焼やけた後、白いヘビはすがたを消してしまった。それから村で悪い病気がはやったり、作物がとれず食べ物がたりなくなって、村の人たちは、たいへん困こまってしまった。「これはきっと、薬師さまのお使いの白いヘビがいなくなったからだ。どうしたら、いなくなった白いヘビをなぐさめることができるだろう」村の人たちは、顔をつき合わせて相談した。そうして今もお正月に行なわれている、ワラで大きなヘビを作って木にかけ、薬師さまにお祈いのりする「じんがんなわ」の祭りがはじまったのだ。【大乗院】西保木間二丁目14-5��

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