足立の昔がたり
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その日、お寺は、大根の葉を干ほしたものを入れ、塩しおを使わないで作った「ひばがゆ」というおかゆを、人びとにふるまうようになった。毎年「じんがんなわ」の祭りをくりかえしているうちに、不ふしぎ思議なことに悪い病気もなくなり、作物もよく実るようになって、村はまた元のような平和な村になっていった。 一月七日の「じんがんなわ」の祭りの朝には、近くの農家の人たちがワラを持ってお寺の境けいだい内に集まり、大きなヘビを編あんでいく。編むのがむずかしい頭の部分は、仕事になれたお年よりが、重いおなかの部分は、力のある若わかい人と、み114

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