足立の昔がたり
119/152

「じんがんなわ」の祭りは、もともと薬師如来の斎さいにち日(精しょうじん進の※日)である一月八日だったけれど、前の日の七日が七草で農家の休日に当たっていた。けれど休みを二日続つづけるわけにもいかないので、一月七日に行われることになったそうだ。そして現在では、だいたい成人の日に行われているよ。※精進→体と心をきれいにしてつつしむこと。んなで力を合わせて、長さ五、六メートルの大きなヘビを編みあげるのだ。編み終わると、薬師如来の前でお寺のお坊ぼうさんが、白ヘビのためにお祈りし、その後、みんなで境内のイチョウの木の枝えだにヘビをはわせ、頭を結びつける。以いぜん前は、お寺の門の前の松まつの木に、それよりも前は、お寺に行く道のわきの農家の木にかけていた。「じんがんなわ」という祭りの言葉は、その農家が「じゃのき」「じんがんどん」といわれていたからだとも、また、「蛇が縄(ジャガナワ)」がだんだん変かわっていったからともいわれている。今でも大乗院に行くと高いイチョウの木の上に、ワラで編まれた大きなヘビが、頭をあげて、はっているすがたを見ることができる。115

元のページ 

10秒後に元のページに移動します

※このページを正しく表示するにはFlashPlayer9以上が必要です