足立の昔がたり
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夜よな泣き地じぞう蔵 昔、保ほ木きま間村むらに、夜泣きのはげしい赤ちゃんを持つ母親がいた。昼のうちはおとなしいのに、赤ちゃんは夜ともなると、火がついたように泣き叫さけび、いくらなだめても、いっこうに泣きやまない。そのたびに母親は眠ねむれず、おろおろするばかりだった。赤ちゃんは夜泣いても、昼に眠れるからよいが、母親には、農家での仕事がある。夜、眠れない日が続つづけば、母親までも病気になってしまいそうだ。困こまった母親は、近くにある宝ほうしゃくいん積院に行き、子どもを守ってくれるというお地蔵さまに祈いのった。「どうか、お地蔵さま、この子の夜泣きが治なおりますように」やがて、夜がやってきて、また赤ちゃんが泣き出すのではないかと、母親は心配していた。��【宝積院】西保木間一丁目11-4116

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