足立の昔がたり
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118又また花はな・花はな又また・花はなはた畑 今から九百年以上昔、新しんら羅三さぶろう郎義よしみつ光という武ぶし士が、戦いくさで苦くせん戦している兄源みなもとの義よしいえ家を助けるため、奥おうしゅう州に※出向くことになった。その途とちゅう中、今の花畑の地にさしかかった。ふとあたりを見わたすと、街かいどう道を少し入ったところに、お寺のお堂どうのようなものが見える。立ちよってみると、そこは正しょうがくいん覚院というお寺だった。そこで義光は、自らの守り本ほんぞん尊を※正覚院のお坊ぼうさんへあずけ、今回の戦での勝利を祈いのるようにたのんだ。大切なご本尊をあずかったお坊さんは、ことの重大さを感じ、朝夕のおつとめのかたわら、義光の勝利を一いっしょうけんめい生懸命に祈った。やがて、このお坊さんの熱ねっしん心な祈りが通じたのか、義光たちは苦くせん戦したものの、みごとに勝つことができた。その戦からの帰り道、義光は、この思い出の地に再ふたたび立ちよった。��【正覚院】花畑三丁目24-27

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