足立の昔がたり
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120勝しょうり利をみちびいたワシもうひとつ、新しんら羅三さぶろう郎義よしみつ光の話。奥おうしゅう州の※戦いくさに出向く道中、今の花はなはた畑の地を訪おとずれた義光は、ふと思いたった。「この戦は、そうかんたんに勝つことはできないぞ。だから、神さま、仏ほとけさまに味方してもらえるように、お願ねがいをしておこう」そして、中秋の※名月の夜、綾あやせ瀬川がわのきれいな水で体と心を清きよめ、それから大おおとり鷲神社の方へ向かって手を合わせ、戦での勝利を祈いのった。すると、どこからともなく一羽のワシが飛とんできて、義光の頭の上をくるくるとまわりはじめた。そして、それに合わせるように、綾瀬川の水の色がだんだんと白くかがやきだしたのだ。そのうち、ワシがまっすぐ天にのぼっていったかと思うと、義光たちのよろいかぶとが急に光を放ちはじめた。【大鷲神社】花畑七丁目15-1��

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