足立の昔がたり
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キツネは、人をだますものと信しんじていた昔の人びとは、何かおかしな自しぜん然現げんしょう象を見ると、すべてをキツネやタヌキのせいにしていたのだ。この辰沼の、田んぼや畑の中にあかりが見えるのも不思議な現象だったので、昔の人はキツネにだまされたものと思い込こんだのだろう。キツネやタヌキには、ずいぶん迷めいわく惑な話かもしれない。ここでおこっている現象は、いわゆる「狐きつね火び」と同じものだと考えられるけれど、どうしておこるのか、実はまだ、その仕組みは詳くわしく解かいめい明されていないよ。また「キツネの嫁入り」という言葉は、昼間、雲ひとつない晴れた日に、とつぜん雨が降ふってくることをいうときにも使われる。132

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