足立の昔がたり
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田た光びかり観かんのん音昔、五ごちょう丁田だ耕こうち地の土地は五ご左ざ衛えもん門という人が持っていた。その五左衛門の家の作さくおとこ男が※、ある日、ウマをつかって田んぼをたがやしていた。汗あせをふきふき土をおこしていると、どういうわけか、ある場所に来るたびにウマが止まってしまう。不ふしぎ思議に思って掘ほり返してみると、土の中から一メートルほどの木が出てきた。「なんだ、木か」そのときは気にも止めず、その木を田んぼのあぜ道に置おいて、仕事を続つづけた。やがて仕事を終えて家に帰った作男は、その夜から毎日のように、木もくぞう像の観音さまが枕まくらもとに立つ夢ゆめを見るようになった。その観音さまの立ちすがたは、ちょうど田んぼの中から掘りおこした木にそっくりだった。よく朝、作男は目を覚さますと、すぐに田んぼに行き、木を抱だきかかえ��【西光院】中川三丁目21-20136

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