足立の昔がたり
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16 「おいてけ! おいてけ!」男の子はおどろいたけれど、釣った魚がおしくて、もとの堀に戻もどそうとしなかった。そして、そのまま家に帰ろうとしたが、どういうわけか生い茂しげった葦の中の道から抜ぬけ出せなくなって、迷めいろ路のように同じところを行ったり、来たりすることになった。 ようやく、葦の道から抜け出して家に帰り、男の子は釣った魚の入った桶を、土間に置おいておいた。 すると、その日の夜の間、桶に入れた魚が、ずっとパシャ、パシャと音をたてていた。

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