足立の昔がたり
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22子福さまは、子どもの病気はもちろん、大人の疲つかれから肩かたのコリ、腰こしから下の病気などに、とてもききめがあるそうだ。けれど、お礼として油揚げを奉ほうのう納しないと、元に戻もどってしまうともいわれているよ。困こまりはてた町の人たちは、「暴あばれまわっていたヘビを水神としてまつることにしたら、悪さをしなくなった」という近くの村の故こじ事にならって、「町の子どもを守ってくれますように」と「子福稲いなり荷」としておまつりしてみることにした。長円寺の境けいだい内に「稲荷やしろ」を建たてて、油あぶらあ揚げや小あずき豆飯めしを供そなえるのだ。その試こころみはみごと成せいこう功し、それ以いご後、キツネは悪さをしなくなったばかりか、町全体を守ってくれるようになったということだ。

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