足立の昔がたり
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26明みょうおういん王院の不ふしぎ思議なお話梅うめだ田四丁目にある明みょうおういん王院は、赤あか不ふどう動とも呼よばれ、多くの人びとに親しまれてきた。昔は境けいだい内に大きな池と、遠くからでもわかるりっぱな松まつの木があったそうだ。まず、その池にまつわるお話。昔、この池にすんでいる生き物は、魚はもちろん、カエルやカメなどにいたるまで、すべて片かため目だったという。しかも、その片目の魚をつかまえて食べたりすると、それを食べたものまでが片目になってしまうといういい伝えがあった。くわしいことはわからないが、ずっと昔、戦いくさに敗やぶれて片目を失うしなった侍さむらいが、明王院まで落ちのびて来て、ここの池でその傷きずついた目を洗あらったそうだ。やがて目の傷も治なおり、侍はこの寺に住みついて、ご本ほんぞん尊さ※まをお守り�【明王院】梅田四丁目15-30

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