足立の昔がたり
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27するようになった。けれど、そのころから池にすむ生き物ぜんぶが、片目になってしまったらしい。今ではいなくなったけれど、昭和のはじめころまでは、片目の生き物をよく見ることができたということだ。つぎは、大松にまつわるお話。明王院の境内にあった、りっぱな松の木は、「明王院の大松」と呼ばれ、地元の人に親しまれていた。昔、月がきれいな夜に、ときどき大松の枝えだに、もうひとつの月のような丸い光が見えることがあった。「はて、おかしいな。あんなところに月が……」

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