足立の昔がたり
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関東大震災は、大正十二年九月一日におこった大おお地じしん震だ。また、大松が倒れたのは大正六年(一九一七)ころで、それからまもなく暴ぼうふうう風雨がやって来たという説せつもあるよ。29うとした瞬しゅんかん間。どさぁっ!人びとのすぐ後ろで、大きな音がした。「こいつは、タヌキじゃないか」落ちてきたのは、死にかけの年としよ寄りタヌキだった。ふたつめの月の正体は、このタヌキだったのだ。その大松も、大正十二年(一九二三)のはじめころ、風もない穏おだやかな日に、どうしたことかバッタリと倒たおれてしまった。何か悪いことの前ぶれではないか……と人びとが思っていた矢先に、関かんとう東大だいしんさい震災がおこったという。※本尊↓その寺で、一番大切な仏ほとけさまのこと。

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