足立の昔がたり
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佐さたけ竹稲いなり荷の白ギツネ 佐さたけ竹稲いなり荷のある梅うめだ田六丁目は、今はたくさんの家が集まっているけれど、その南みなみ側がわ一いっ帯たいが、江えど戸時代に秋あきたはん田藩佐竹家の抱かかえ屋やしき敷があったところだ。その広さは、およそ六千坪つぼから一万坪ほどもあったようで、この屋敷の鬼きもん門(北東)に、屋やしきがみ敷神としてまつられたのが佐竹稲荷だ。実は数十年前までは、このこんもりした佐竹稲荷の境けいだい内に、かなりの数の白ギツネがすんでいた。そのために、近くに住む人が買い物に行っての帰り道、魚や油あぶら揚あげなどを持って通ると、決まって数匹ひきのキツネにつけまわされ、しまいには家の中まで入り込こまれてしまったそうだ。そこで、少しでも分けまえをあげればいいのだけれど、うるさいからと棒ぼうなんかで追いまわしたりするとたいへんだ。すばしっこく逃にげまわって、とても追い払はらうことができないばかりか、仕返しとして飼かっているニワトリを食べたり、畑の作物を荒あらすということが、必かならずあったらしい。【佐竹稲荷神社】梅田六丁目28-733��

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