足立の昔がたり
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なし正月昔、家の数が四軒けんだったために、四よツ家や村むらと呼よばれている村があった。この四ツ家村には、江えど戸から将しょうぐん軍さまがよく鷹たか狩がりに来られていた。そのとき、村人たちには、道の草刈かりはもちろんのこと、においのするものや目ざわりなものにはふたをして、かたづけをするなどの注意がされていた。その中でも、とくにきびしく注意されていたのは、火の元に気をつけることだった。お正月を迎むかえたある日のこと。江戸の将軍さまが、鷹狩りに来られることになり、四ツ家村では、大さわぎとなった。「きたないものをかたづけろ」「道は、きれいになっているか」村人たちは大あわてで、かたづけた。��41
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