足立の昔がたり
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小こすげ菅どん小菅駅のすぐ東ひがし側がわに東とうきょう京拘こうちしょ置所がある。ずっと昔、ここには小菅御ごてん殿(将しょうぐん軍さまの御殿)があり、それがこわされると江えど戸幕ばくふ府の籾もみぐら倉が※できた。その後、小菅の役所になり、 の工場、そして刑けいむしょ務所と何度かすがたをかえてきた。ここが、まだ籾倉だったころのことだ。籾倉には、江戸の人たちの非ひじょうよう常用の米がたくさんしまわれていた。そのために、近くにはネズミが多く、それをねらってキツネ、タヌキやムジナ、そして大だいじゃ蛇(大きなヘビ)までがすんでいた。大蛇だから、青あお大だいしょう将などのふつうのヘビとは比くらべものにならない。胴どうまわりが〝しょうゆ樽だる〟ぐらいあったというから、そうとうな大きさだ。近所の人は、この大蛇のことを、土地の名をつけて「小菅どん」と呼よんで恐おそれていた。あるとき、お百ひゃくしょう姓さんが、野のら良仕事の合間にひと休みしようと思い、道ばたの松まつの丸太に腰こしをおろした。【正覚寺】葛飾区小菅一丁目3-643��

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