足立の昔がたり
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※籾倉→稲いねから取ったままの殻からのついた米を入れておく倉くらのこと。44お百姓さんはのんびりと景けしき色をながめたり、野やさい菜のでき具合を見ながら、煙たばこ草をすったりしていたが、腰をおろしていた丸太が静しずかに動きだしたのでビックリした。よく見ると、松の丸太と思っていたのは、うわさに聞いていた、「小菅どん」―あまりの恐ろしさに、お百姓さんは腰をぬかして、その場にすわりこんでしまったそうだ。また現げんざい在の東京拘置所の南、綾あやせがわ瀬川と荒あらかわ川の交わるあたりに、正しょうがくじ覚寺というお寺があるが、このあたりには、「小菅どん」の通ったあとが、長ながとすじを引いたように、何本もあったということだ。

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