足立の昔がたり
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将しょうぐん軍さまと国こく土ど安あん穏のん寺じ 旧きゅうにっこう日光街かいどう道、島しまね根交番の向かい側がわに「将しょうぐんけ軍家御おなり成橋ばし御おなりみち成道松まつなみき並木跡あと」の碑ひがある。その碑のわきを入って、昔は松並木だった道を行くと、「天てんか下長ちょうきゅうざん久山」の額がくの掛かかった仁におうもん王門が右手にある。そこが国こくどあんのんじ土安穏寺だ。国土安穏寺の本ほんどう堂の屋やね根瓦がわらの浮うき彫ぼりや門の扉とびらに描えがかれているのは、徳とくがわけ川家の紋もんどころ所として知られている三みつば葉葵あおい―それを寺の紋としているのには、こんな理由がある。三代将軍家いえみつ光が日光へお参まいりに出かけたとき、この寺に立ちよって休きゅうけい憩した。寺の住じゅうしょく職日にちげい芸上しょうにん人は家光の旅の平安を祈きがん願したが、なにか不吉な予感がした。そこで、道中気をつけるように申し上げ、家光も上人の言葉どおりに気き配くばりして、無ぶじ事に旅を終わることができた。ところが、この旅には、家光を亡なきものにしようというくわだてがあっ【国土安穏寺】島根四丁目4-156��

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