足立の昔がたり
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すると、日の光がまぶしくて目がくらんだ野伏たちのいきおいがにぶり、義家の軍は、ここぞとばかりに攻せめかかって、敵てきを打ちやぶった。やがて奥州での戦いに勝った義家は、都に戻もどるとき、再ふたたびこの地によって、苦くなん難を乗りこえて戦いに勝ったお礼に、八はちまんじん幡神をまつる神社を建たてた。さらに、そのそばに寺を造つくって、戦いで亡なくなった者を供くよう養した。この地での戦いが六月の暑い炎えんてん天の※日だったので、寺を炎天寺と名なづ付け、寺のある村を六月村と呼よぶことにしたということだ。62

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