足立の昔がたり
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さて義家の話から七百数十年たった江えど戸時代のこと。俳はいじん人の小こばやし林一いっさ茶が六月村や炎天寺を訪おとずれた。一茶は信しなののくに濃国(今の長ながのけん野県)に生まれ、十四歳さいで江戸に出て俳はいかい諧を学び、などのわかりやすい、心温まる句くを残のこしている。その一茶は竹塚に※友人がいて、何度か訪たずねている。そのころの竹塚は、義家のころとはちがって田んぼが広がり、初しょか夏の田植えのころになると、ホタルが飛とび、カエルがさわがしく鳴いていた。そして恋こいの季きせつ節になると、カエルは群むれ集まって相手を取りあい、背せなか中に乗ったりして、まるで、けんかをしているように見える。この様子は「竹塚の蛙かえる合がっせん戦」として江戸中に知られていた。この蛙合戦を、一茶も見に出かけたようだ。かれの手記『しだら』に、竹塚というところに蛙戦いがあるから見に行ったと書かれていて、その後に、 の句がある。63�すずめ�������������������������������������������ここ���

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