足立の昔がたり
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66足立の瓦かわらとみんなも知ってのとおり、足立区のまわりには川が流れている。どの川も、今は川岸がコンクリートで固かためられているけれど、かつては大雨が降ふれば、周しゅうい囲に水があふれ出るような、自しぜん然なままの川だった。足立区は、利とねがわ根川や荒あらかわ川、その支しりゅう流の川が上流から運んできた土どしゃ砂が、数千数万年の間に積つもり積もった土地からできている。その土は養ようぶん分に富とみ、農作物には最さいてき適で、江えど戸時代、足立一いったい帯は江戸の町で消しょうひ費される野やさい菜を作っていた。そして、その足立の土は、瓦と を作る上でも、大いに役立ったのだ。まず、瓦作りの話だ。奈なら良時代、大たいりく陸から日本に伝つたわった瓦は、寺の屋根、ついで平へいじょうきょう城京など宮きゅうでん殿の屋根、城しろの屋根へと使われていた。けれど費ひよう用がかかったので、��

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