足立の昔がたり
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てしまった。ヘビが煙草のヤニに弱いことを、お百姓さんは知っていたのだ。「これでひと安心だ。さて帰ろう」お百姓さんは、馬を引いて家へと急いだ。ところが帰り着くと、まもなく死んでしまったという。おそらく大蛇のたたりだろうと、人びとは話したそうだ。舎人の諏訪神社は、長野県の諏訪大社からみたまをいただいたところで、地元の人びとは親しみを込こめて、「お諏訪さま」と呼んでいるよ。ふたつめの話に出てくる「やっちゃ場」というのは、主に野菜を取引する、青物市場のことだ。※名主→江戸時代に、町人や農のうみん民の中から選ばれて、村や町を治おさめていた 人のこと。※夢枕→夢の中で神や仏ほとけなどがあらわれて、あることを告げること。※キセル→煙草を刻んだものをつめて吸すう道具のこと。93

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