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大阪地裁令4.9.22判決 旧優生保護法下のいわゆる優生手術を巡る国に対する国家賠償法1条1項に基づく損害賠償請求事件において,同規定の立法行為について国家賠償法上の違法性があるものとした上で,優生手術の実施から20年以上の除斥期間が経過していることに関し,国が優生手術を制度化して,広く優生思想及び優生政策の正当性を国民に認識させる状況を作出し,かねてからあった差別・偏見を正当化・固定化し,これを助長してきたため,訴訟提起の前提となる情報や相談機会へのアクセスが著しく困難な環境が続いてきたのであり,除斥期間の適用をそのまま認めることは,著しく正義・公平の理念に反するから,時効の完成を延期する時効停止の規定(民法158ないし160条)の法意に照らし,上記アクセスが著しく困難な環境が解消されてから6か月を経過するまでの間,除斥期間の適用が制限されるべきであるが,平成30年1月に提起された同種の訴訟の報道を契機として本件の訴訟提起を検討するようになったという本件の具体的な事情に照らして,除斥期間の適用は制限されないと判断された事例 ページ:228
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