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<2>3日間にわたり,3軒の民家に侵入し,家人合計6名を包丁で突き刺すなどして殺害した上,金品を強取し,4名の死体を隠匿遺棄した住居侵入,強盗殺人,死体遺棄の事案において,各金品強取の目的等を認めた原判決の判断は,精神鑑定により認定できる被告人の精神的な不穏状態(状況を誤って被害的に確信し,その誤った確信によって衝動的で突発的な行動をする状態)を十分に検討していない点で不合理であるが,結論は是認できるとしたものの,完全責任能力を認めた原判決の判断については,動機の形成過程が了解可能なものであるか否かは,精神障害が犯行に及ぼした影響をみる上で重要な考慮要素と考えられるのに,それを捨象するという誤った判断枠組みに基づき,本件各犯行の動機やその形成過程,犯行の合目的性の認定及び評価を誤り,ひいては原審における精神鑑定を正しく理解せずに判断するなど,不合理であるとした上で,被告人は,統合失調症による職場関係者やその者が差し向けた男から危害を加えられるなどという妄想や精神的な不穏状態に非常に大きく影響されていたが,これらに完全に支配されていたとまでは評価できないとして,心神耗弱の状態にあったと認めた事例 ページ:110
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